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THCとCBDの違い・用途・法的状況・使用方法の総合解説

THCとCBDの違い・用途・法的状況・使用方法の総合解説

THCとCBD:違い、用途、効果、副作用

化学的・薬理的な違いと作用

https://cbd.co.jp/column/cbd-with-thc/?srsltid=AfmBOopUu9TLxZYqLpPE2sC8CSYwFMIDRBsjM24B5YeUme0DQypQDn_n図:CBD(上)とTHC(下)の化学構造式。THC(Δ⁹-テトラヒドロカンナビノール)とCBD(カンナビジオール)は共に大麻草に含まれる主要なカンナビノイド(大麻成分)で、化学構造もよく似ていますcbd.co.jp。しかし、原子の配置(構造異性)の僅かな違いにより、生体への作用は大きく異なります。最大の違いは精神への作用(精神活性)の有無です。THCは強い精神活性作用を持ち、脳内のカンナビノイドCB1受容体を直接活性化することで多幸感(いわゆる「ハイ」になる感覚)や知覚変化をもたらしますcbd.co.jpncbi.nlm.nih.gov。一方、CBDに精神を酩酊させる作用はありませんcbd.co.jp。CBDはCB1受容体に直接作用しないか極めて弱いため精神作用を起こさず、むしろTHCによる不安やパニックなどの作用を和らげるとも考えられていますadf.org.au。またCBDはCB2受容体やセロトニン5-HT1A受容体、バニロイド受容体など多様な分子経路に作用し、抗炎症・鎮静・抗けいれん効果などに関与するとされていますncbi.nlm.nih.gov。総じて、THCは主に中枢神経系で作用し陶酔や鎮痛・食欲増進などを引き起こすのに対し、CBDは精神作用がなく不安軽減や抗けいれん・抗炎症作用を示す点で薬理学的に対照的ですadf.org.aupref.kanagawa.jp

医療用途・健康目的での使用例

THCとCBDはいずれも医療・健康分野で注目され、多様な症状への応用が研究・実践されています。それぞれの代表的な用途を以下に挙げます。

  • てんかん(難治性てんかん):CBDは小児の難治性てんかん症候群(ドラべ症候群やレノックス・ガストー症候群など)の発作を劇的に減少させる効果が確認され、アメリカではCBDを有効成分とする医薬品(エピディオレックス)がこれらの治療に承認されていますhealth.harvard.edu。日本でも海外同様にCBDが難治性てんかんや結節性硬化症の治療に用いられている実績がありpref.kanagawa.jp、この分野でのCBDの有効性は最も確かなものとされています。THCについては抗けいれん薬としての使用は一般的でなく、むしろ高用量のTHCは発作閾値を下げる可能性も指摘されています。
  • 不安・ストレス:CBDには抗不安作用(不安感の軽減)が報告されています。臨床研究でもCBD投与により社会不安障害の患者の不安が軽減したとの報告があり、現在も不安障害やPTSDへの有用性が試されていますhealth.harvard.edu。日常的にもリラックス目的でCBDオイルを利用する人が増えています。一方、THCは低用量ではリラクゼーション効果を感じる場合もありますが、高用量では逆に不安や緊張、パラノイア(被害妄想)を引き起こすことがありますadf.org.au。そのため不安障害の治療用途としてはCBDの方が適していると考えられます。
  • 慢性痛:医療用大麻の主要な適応の一つが慢性的な痛みの緩和です。THCには鎮痛作用があり、特に神経障害性疼痛や線維筋痛症の痛みに有効だったとする臨床試験の結果がありますncbi.nlm.nih.gov。例えば米国では**THCの合成薬であるドロナビノール(マリノール)がエイズ患者の体重減少やがん化学療法による悪心に伴う食欲不振改善に用いられていますがncbi.nlm.nih.gov、慢性疼痛管理にも処方されることがあります。またカナダや欧州などではTHCとCBDを1:1で含む経口スプレー製剤(ナビキシモルス, 商品名サティベックス)**が多発性硬化症に伴う疼痛や筋痙縮の治療薬として承認されていますcannabisinsight.jp。CBD単独についても抗炎症作用を介して関節炎などの痛みを和らげる可能性が示唆されておりhealth.harvard.edu、慢性痛に対するCBDオイルの使用報告も増えています。
  • 睡眠障害:不眠や睡眠の質の改善目的で大麻製品を使用する例もあります。THCは鎮静作用があり入眠を助ける効果が期待できます。実際、就寝前に吸入する医療大麻が慢性痛患者の睡眠を改善したとの報告もあります。また高齢者の不眠に対しTHC/CBD製剤を用いた試みも行われています。一方、CBDも間接的に睡眠を助ける可能性があります。CBD自体には強い催眠作用はありませんが、不安や痛みを軽減することで結果的に眠りやすくなるとの指摘がありますhealth.harvard.edu。ただし個人差が大きく、日中に高用量のCBDを摂取すると目が冴えると感じる人もおり、睡眠障害への効果については今後の研究が必要です。
  • その他の用途:THCは制吐作用(吐き気止め作用)に優れ、化学療法による悪心・嘔吐の抑制に用いられてきましたncbi.nlm.nih.gov。また食欲増進作用から、食欲不振を伴う疾患(がん悪液質やエイズによる消耗症候群)で患者の体重維持に使われることがありますncbi.nlm.nih.gov。CBDは近年、物質依存症のリハビリ(たばこやオピオイドなどの渇望軽減)への応用も試みられていますhealth.harvard.edu。さらにCBDとTHCの組み合わせがALS(筋萎縮性側索硬化症)の痙性症状を和らげる効果があるとの報告やncbi.nlm.nih.govncbi.nlm.nih.gov、THCに腫瘍細胞増殖抑制効果が見られた基礎研究もありncbi.nlm.nih.gov、神経疾患・がん領域での研究が進んでいます。総じて、THCは鎮痛・制吐・食欲増進などに、CBDは抗けいれん・抗不安・抗炎症などに強みがあるとされ、症状に応じて使い分けや併用が検討されています。

日本および主要国における法的扱いの違い

世界各国で大麻(カンナビス)規制の状況は大きく異なります。THCを含む大麻草そのものの取り扱いについて、ここでは日本と主要国(米国、カナダ、ドイツ、タイ)の違いを概観します。なおCBD製品については、多くの国でTHC含有量が法定閾値以下(例:0.2~0.3%未満)であれば合法的に販売・使用が認められていますが、日本は例外的にTHC成分の極微量混入も認めない厳格な運用となっていますpref.kanagawa.jp

  • 日本:日本では大麻取締法により、大麻草(指定部位を除く)およびその製品の所持・栽培・譲渡などが厳格に禁止されていますpref.kanagawa.jpTHCは全面的に違法であり、医療目的であっても大麻由来の薬剤使用は現在認められていません(2023年時点)pref.kanagawa.jp。ただし、大麻取締法は「大麻草の成熟した茎と種子由来の製品(樹脂を除く)」を規制対象から除外しておりpref.kanagawa.jp、この法律の枠内で茎や種子から抽出されたCBD製品が国内でも流通していますpref.kanagawa.jp。日本のCBD製品はTHCが検出されないものに限り合法ですが、実際には輸入製品を中心に違法な微量THC混入例も報告されており注意が必要ですpref.kanagawa.jp。2023年には厚生労働省の検討会により、医療目的の大麻由来薬剤の使用解禁や大麻使用罪創設など法改正が議論されていますが、施行には至っていません。
  • アメリカ合衆国:米国では連邦法上、大麻(マリファナ)は依然として規制物質法のスケジュールI(医療用途がなく乱用のおそれが高い薬物)に指定され違法です。しかし州法レベルでは規制緩和が進んでおり、現在では24の州(グアムや米領ヴァージン諸島等含む)で娯楽用の大麻が合法化されていますcannabisinsight.jp。さらに医療用大麻に限れば、大半の州で医師の管理下に使用が認められています。一方、CBDに関しては2018年の連邦農業法(Farm Bill)でTHC濃度0.3%以下のヘンプ由来CBDが合法化され、全米50州で流通が可能となりましたhealth.harvard.edu。つまり現在の米国は「連邦法では違法だが州によっては合法」というねじれた状況にありcannabisinsight.jp、州毎に所持量や利用方法、ライセンス制度など細かな規制が定められています。また連邦レベルでも近年、大麻のスケジュール分類見直し(スケジュールIIIへの引下げ検討jp.reuters.comなど)や合法化に向けた議論が活発化しています。
  • カナダ:カナダでは2018年に嗜好用大麻が全国で合法化され、世界で2番目にレクリエーション用途を解禁した国となりましたcannabisinsight.jpcannabisinsight.jp。現在は連邦政府の定める**大麻法(Cannabis Act)**の下、18歳以上(州により19歳以上)の成人は適量の大麻を所持・購入・使用でき、政府公認の店舗で乾燥大麻やオイル、食用(エディブル)製品、抽出物、外用製品など多様な大麻製品が販売されていますcannabisinsight.jp。医療用大麻も2000年から合法的に利用可能で、2018年の全面合法化以降は医療・娯楽の区別なく統一的な枠組みで管理されています。なお道路交通法等で飲酒運転同様に大麻影響下での運転は禁止されるなど、適切な規制も敷かれています。
  • ドイツ:ドイツでは2024年4月1日より、18歳以上を対象に大麻の所持・私的消費が条件付きで合法化されましたde.emb-japan.go.jp。具体的には成人1人あたり25グラムまでの乾燥大麻所持と、自宅で最大3株の大麻草栽培が許容されていますcannabisinsight.jp。ただし公共の場での使用には時間・場所の制限があり、学校や幼稚園、遊び場周辺では使用禁止、また18~21歳への販売・譲渡はTHC濃度が10%以下の製品に限定される等の条件が課されていますtimeout.jpde.emb-japan.go.jp。2024年7月からは非営利組織の**大麻ソーシャルクラブ(Cannabis Social Club, CSC)**を通じた会員への大麻配布が解禁され、登録クラブで栽培された大麻を個人が入手可能になりますcannabisinsight.jp。商業的な一般販売(専門店での販売)については今後段階的に試験的導入が協議されている状況ですcannabisinsight.jp。なお日本国外において合法であっても、日本人がドイツで大麻を所持・使用すれば日本の法律(大麻取締法)で処罰対象となる可能性があるため注意が呼びかけられていますde.emb-japan.go.jp
  • タイ:タイはアジアで先駆けて2018年に医療用大麻を合法化し、さらに2022年には大麻を麻薬指定から除外(実質的な非犯罪化)しましたcannabisinsight.jp。その結果、タイ国内では登録すれば誰でも大麻の栽培・所持・利用が可能となり、飲食物やコスメに至るまで幅広い大麻含有製品が市場に出回っています。観光客向けの大麻カフェやショップも急増しました。ただし公共の場所での喫煙は禁止されているほか、THC濃度0.2%超の精製製品(オイルや樹脂など)は依然規制対象になるなど一定の制約があります。また2023年以降、新政権の下で娯楽目的の野放図な使用を懸念し規制を再強化する動きもありますcannabisinsight.jp。具体的には娯楽目的の使用を改めて制限しつつ、純粋な医療目的での使用は引き続き認める方針が示されていますcannabisinsight.jp。このようにタイでは一旦広く解禁された大麻の扱いを見直す局面にあり、今後法整備が流動的です。

以上のように、THC(大麻)の法的扱いは国によって大きな差があります。カナダのように全面合法化している国もあれば、日本のように厳禁している国もあります。医療用に限定して解禁している国・地域(オーストラリア、イタリアなど)も多く存在します。一方、CBD製品の法規制はTHC含有量の閾値設定など技術的側面が中心で、比較的緩和される傾向にあります。ただし各国で法的な定義や基準が異なるため、国境を越えて製品を持ち運ぶ際には注意が必要です。

市販されている製品の形態と使い方・吸収の違い

大麻由来のTHCやヘンプ由来のCBDは、様々な製品形態で市販・利用されています。それぞれ摂取経路や吸収速度が異なり、効果の現れ方や持続時間にも違いがありますccsa.caccsa.ca。代表的な製品形態とその特徴は以下の通りです。

  • オイル(経口オイル・チンキ剤):植物油などにTHCまたはCBDを溶解した液体製剤で、スポイトで舌下に滴下したり飲料に混ぜたりして使用します。舌下投与では粘膜から有効成分が吸収されるため効果発現が比較的早く(15~30分程度)、全身に行き渡りますtribetokes.com。経口摂取した場合は消化管から吸収されるため効果発現まで30分~1時間ほど要しますccsa.ca。効果の持続時間は4~6時間程度と中程度です。オイル製品は用量調整がしやすくCBD製品として最も一般的ですcbd.co.jp。THCオイルも嗜好用途や医療用途で販売されていますが、国によっては違法です(日本では違法)。
  • グミ・キャンディなどのエディブル(食用製品):THCやCBDを練り込んだグミ、クッキー、チョコレート、飲料(ビール風飲料等)といった食用加工品ですpref.kanagawa.jp経口摂取によりゆっくり吸収されるため、効果が現れるまで30分~2時間と時間がかかりますがccsa.ca、効果は長持ちし最大で12時間程度持続することもありますccsa.ca。特にTHC入りのエディブルは肝臓で代謝される際により強力な代謝産物(11-ヒドロキシ-THC)に変換されるため、酩酊作用が喫煙時より強く長引く傾向がありますccsa.ca。エディブルはお菓子感覚で摂取しやすい反面、効き目が遅いため追加摂取による過剰摂取に注意が必要です。また日本ではTHC入りエディブルは違法ですが、CBD入りのグミやチョコは合法で人気商品となっていますpref.kanagawa.jp
  • ベイプ(気化吸入):電子タバコ型のデバイスを用い、THCやCBDの含有リキッドを加熱気化させて吸引する方式です。肺から直接血中に取り込まれるため効果発現が非常に速く、吸ってから数分以内に効き始めますccsa.ca。効果の持続時間は2~4時間程度と短めですが即効性があるため、疼痛やパニック発作の急性症状緩和などに適します。喫煙と比べ煙による有害物質摂取が少ないとされますが、近年リキッド中の添加物による肺障害(EVALI)報告もあり注意が呼びかけられています。日本ではTHCリキッドやワックスは違法で所持摘発例も増えていますpref.kanagawa.jp。一方、CBDベイプ製品は合法で、リラックス目的で使用する人もいます。
  • カプセル・錠剤:決まった容量のTHCまたはCBDを含む経口カプセルや錠剤も市販されています。処方薬としては米国でドロナビノール(THCカプセル)が存在しncbi.nlm.nih.gov、サプリメント用途ではCBDカプセルが広く流通しています。服用経路のため効果発現はエディブル同様に1時間前後かかりますが、正確な容量を摂取できる利点があります。味や匂いが気にならない形態でもあります。
  • 外用製品(クリーム・化粧品など):皮膚に塗布する軟膏、クリーム、ローション、パッチなどの形態もありますadf.org.au。主にCBD配合のものが一般に売られており、筋肉痛や関節痛、皮膚の炎症を和らげる目的で使われます。皮膚からの局所吸収であり基本的に血中にはほとんど移行しないため、全身作用や精神作用は起こりません。例えばスポーツ後の筋肉ケア用のCBDクリームや、ニキビ対策の美容パックなど多様な製品が存在しますpref.kanagawa.jp。THCを含む外用剤も海外では研究されていますが、精神作用を避けつつ局所鎮痛効果を得るためにTHC濃度や使用部位に注意が払われます。

以上のように、製品ごとに摂取経路や作用発現時間・持続時間が異なるため、目的に応じて使い分けることが大切ですccsa.caccsa.ca。例えば即効性を求める場合は吸入、持続的な効果には食用、全身作用を避けたい場合は外用、といった選択が考えられます。また製品によって有効成分の吸収率(バイオアベイラビリティ)も異なり、吸入では経口より高率に成分が吸収されますncbi.nlm.nih.gov。安全に利用するため、製品の用法用量や成分表示をよく確認し、適切な方法で摂取してください。

安全性・副作用・依存性・相互作用

THCとCBDは安全性プロファイルが大きく異なり、副作用の種類や頻度にも差があります。それぞれの主なリスクについて解説します。

THC(大麻)の副作用・リスク:大麻中のTHCは陶酔をもたらす一方で、短期的副作用として知覚の歪み、反応速度低下、記憶力・集中力の低下、判断力の低下が生じますde.emb-japan.go.jp。一時的な不安感やパラノイア(被害妄想)、幻覚を経験する人もおり、特に高用量摂取時に顕著ですncbi.nlm.nih.gov。頻脈(心拍数増加)や結膜充血(目の充血)、口渇も一般的な作用です。また運動能力や判断力の低下により、酩酊中の自動車運転は極めて危険です。長期使用のリスクとしては、常用による耐性の形成や依存症(カンナビス使用障害)のリスクがありますpref.kanagawa.jp。大麻への依存リスクは一般に9%前後と言われますが、若年で開始した場合や高THC濃度の製品を頻用する場合は依存の可能性が高まりますadf.org.au。依存が形成されると、中止時に苛立ち、不眠、食欲不振など離脱症状が現れることがあります。また認知機能の持続的低下(IQ低下や学業成績の不振)、意欲の低下(いわゆるアモチベーション症候群)が長期乱用者で報告されていますncbi.nlm.nih.gov。精神面では大麻使用が精神病発症のリスクを高めるエビデンスも蓄積しており、特に思春期からの常用は統合失調症様の症状発現との関連が指摘されていますncbi.nlm.nih.gov。その他、長期の重度使用者に**カンナビノイド高投与症候群(CHS)**と呼ばれる難治の周期性嘔吐発作を生じるケースも報告されており、これは長年の使用を止めることでしか根治できませんncbi.nlm.nih.gov。以上より、THCは適正に使用すれば比較的安全と感じる人も多い一方、大量・長期使用は依存症や精神・身体への有害影響を引き起こしうる点に注意が必要ですpref.kanagawa.jp

CBDの副作用・リスク:CBDはTHCと比べて極めて安全性が高く、乱用や依存の可能性も認められていないと報告されていますhealth.harvard.edu。WHOの専門家委員会によれば「純粋なCBDに公衆衛生上の問題は認められず、乱用や依存の兆候も示さない」とされていますhealth.harvard.edu。実際、ヒトでの臨床試験でもCBDは概ね良好な耐容性を示していますconcussionalliance.org。しかし副作用が全くないわけではありません。報告されている軽度な副作用には、眠気・倦怠感(やや強いリラックス効果による)、下痢や食欲減退、口渇、低血圧などがありますncbi.nlm.nih.gov。多くの場合、こうした症状は高容量を摂取した場合に一過性に現れ、継続使用で体が慣れるにつれ軽減しますncbi.nlm.nih.gov。しかしごく一部のケースで肝機能数値の上昇(肝障害)が報告されており、特に1日300mg以上の高用量を経口投与した場合に肝酵素(トランスアミナーゼ)の上昇が見られやすいとされていますncbi.nlm.nih.gov。このため難治てんかん治療などで高容量のCBD薬を用いる際は、投与前後に定期的な肝機能検査を行うことが推奨されていますncbi.nlm.nih.govncbi.nlm.nih.gov。またCBDは体内で薬物代謝酵素(CYP3A4やCYP2C19など)を阻害する作用があるため、他の薬との相互作用に注意が必要ですhealth.harvard.edu。例えばワルファリンなどの抗凝固薬や一部の抗てんかん薬、免疫抑制剤などと併用すると、CBDがそれらの代謝を遅らせ血中濃度を上昇させる恐れがありますhealth.harvard.edu。実際、CBDと抗てんかん薬バルプロ酸を併用した患者で肝障害リスクが高まったとの報告もありncbi.nlm.nih.govncbi.nlm.nih.gov、併用時は用量調整やモニタリングが推奨されます。さらに、中枢神経を抑制するベンゾジアゼピン系抗不安薬やオピオイド系鎮痛薬とCBDを一緒に摂取すると、相加的な鎮静作用で呼吸抑制が生じるリスクも指摘されていますncbi.nlm.nih.gov。以上のようにCBDにも用量や併用薬次第で副作用はあり得ますが、適切な範囲で用いる限り概ね安全で依存性もないと考えられていますhealth.harvard.edu。もっとも、市販のCBDオイル製品には品質にばらつきがあり、製品によっては表示より高濃度のTHCが混入していた例も報告されますpref.kanagawa.jp。安全に使用するため、信頼できるメーカーの品質管理された製品を選び、体調に異変を感じた場合は使用を中止して医療専門家に相談してください。

参考: 大麻を初めて使用する際には、THC含有量の少ない製品やCBD主体の製品から始め、徐々に自分に合った用量を見極めることが推奨されます。またアルコールや他の薬物と併用すると作用が増強され予期せぬ副作用が出る可能性がありますadf.org.au。特にアルコールとTHCの併用は吐き気や不安発作を強めることがあり危険ですadf.org.au。運転や機械操作を行う場合は絶対にTHCを摂取しないようにし、CBDであっても眠気を催す可能性がある点に注意しましょう。

まとめ: THCとCBDは化学的には類似した大麻由来成分ですが、その作用や法的扱い、安全性は大きく異なります。THCは強い精神作用や嗜好効果を持ち、医療分野では鎮痛や制吐などに有用な一方、依存や精神への悪影響もあり使用には慎重さが必要です。一方CBDは精神作用がなく、安全性が高い成分で、難治性てんかんの治療薬をはじめ不安や疼痛緩和など幅広い健康効果が期待されています。各国で法規制が緩和されつつある中でも日本では依然としてTHCは厳しく禁止されていますが、研究の進展に伴い医療応用の道が模索されています。利用者は正確な知識に基づき、自身の健康と法規制を踏まえて適切にTHCおよびCBD製品と向き合うことが大切です。今後も最新のエビデンスと法改正動向に注目し、安全かつ有効に大麻由来成分を活用できる社会的枠組みが求められています。

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